音楽学科学生が「大隅横川駅開業120周年記念 第16回大隅横川駅平和コンサート」 で演奏

霧島市JR大隅横川駅の木造駅舎の柱には、1945年7月30日に米軍機の機銃掃射を受けた痕が残ることから、毎年同日に「平和コンサート」を開催し、地元の小中学生の作文発表や、各団体の音楽の演奏を通して平和を祈っています。
16回目を迎えた今年は、音楽学科声楽コースの島中輝士風さん(テノール・4年)と和田創太さん(バリトン・3年)が招待演奏でそれぞれイタリアオペラのアリア、ドイツ歌曲、日本歌曲を独唱で披露したのち、最後に重唱で《さとうきび畑》を歌い、戦争の恐ろしさと平和の大切さを観客と共に噛み締めイベントを締めくくりました。
今回MCを担当した島中さんは「色々な面でとても学びのあるコンサートだった。コンサートのスタッフの方々を始め、地域にお住まいの方々が暖かく迎え入れてくださり、多くの方々が演奏を楽しんでいるのがとても嬉しかった。また、駅を訪れた際、第2次世界大戦中に残された駅舎の柱の銃弾による痛々しい傷を見て、約78年もの間その傷跡を残すことで、戦争の残酷さや凄まじさを忘れないようにしているのだと感じた。改めて今こうして平和に過ごせていることをありがたく思う」、和田さんは「横川駅にある銃弾の跡を見て、改めて平和のありがたさを感じることができ、音楽で自分の思いを表現出来ている今に感謝しながら歌うことが出来た。このコンサートに携われたことを嬉しく思う」とそれぞれ報告してくれました。
ピアノを担当した馬原裕子准教授(声楽コース主任)は「学外演奏も今年の春より毎月のように続けて来たが、今回は駅の前で夜公演ということもあり、演奏中の電車の音や飛び交う虫との闘いなど、また新しい経験をすることができ、学生もとても楽しんでいたようだ。また平和祈念コンサートということもあり、学生自ら選曲し、平和を祈る想いを込めて歌った《さとうきび畑》は、来場したお客様をはじめ、現場スタッフの皆さんの心を捉えていたように思う。音楽を通して想いを伝えることができることの大切さを学生たちも体験し、またさらに音楽の尊さを学んでくれたのではないかと思う」と学生の成長を振り返り、来賓席で演奏を聴いた伊藤綾学科長(音楽学)も「戦争の傷跡が生々しく残る歴史的な場所で、地域の皆様と一緒に音楽を通して平和について考えることができた。これからも、音楽で様々なメッセージを届けることにより、学生にも地域の皆様にも音楽の持つ力を感じてほしい」と語ってくれました。
なお、このコンサートの模様は、8月8日(火)の南日本新聞にも掲載されました。