音楽学科主催特別公開講座「FUKUSHIGE MARI(ちゃんMARI)さんを迎えて」が11月22日、8号館8409講義室で開催されました。FUKUSHIGEさんは本学作曲コース出身。バンド「ゲスの極み乙女」でキーボードとアレンジを担当し、NHK紅白歌合戦に出場。日本レコード大賞優秀作品賞を受賞したほか、近年では映画やドラマなどの劇伴音楽、ソロ活動やアーティスト・プロデュースなど多彩な取り組みを精力的に行っています。今回は、第46回日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞した映画『月の満ち欠け』(監督:廣木隆一、主演:大泉洋/松竹)の制作過程を素材にしながら、ドラマと音楽、映像と音楽、言葉と音楽の関係について、ミュージックシートと照らし合わせながらシーンごとに解説していただきました。後半ではオリジナル作品の弾き語りも披露。柔らかく透き通った歌声と色彩豊かなピアノの調べが、詰めかけた多くの聴講者たちを魅了しました。終演後は、学生からの質問やアドバイス依頼、記念撮影にも気軽に応じてくださり、後輩たちに寄せる熱い想いが伝わってきました。
演習(作曲ゼミ)を履修している福島大地さん(音楽学科3年/フルート専攻)は「一つのテーマをセリフやシーンごとに変奏していく手法や、和声・対位法・音色・強弱・テンポなどをストーリーやイメージに添わせて創り替えていく技術が素晴らしかった。FUKUSHIGEさんの気さくで和やかな語り口から、作曲の方法論がしっかりと伝わってきた。今日得た知識を今後の創作に活かしていきたい」と決意を語ってくれました。また、卒業生の松田郁美さん(コンピュータミュージック専攻)は「感受性溢れる人柄に共感し、やっぱ作曲っていいよね、と改めて実感した。作曲コースの学生からも新しい刺激を受けることができ、充実したひとときを過ごさせていただいた」と満足そうに話してくれました。
「英文学・演劇」が専門の小林潤司学長は「今回、FUKUSHIGEさんには劇伴制作の手順や技法についてご講義いただいたが、映画『月の満ち欠け』の音楽を担当された経験を踏まえたお話で、とても具体的でわかりやすかった。学生たちにもよい刺激になったと思う」と、またとない学びの機会に感謝していました。



