音楽学科の新入生ゼミナールでは後期から、卒業後の進路を具体的にイメージするために、音楽と結びついた様々な現場で働く人の声を聞く公開講座を企画・開催しています。10月16日の新ゼミでは、横浜みなとみらいホールの小野寺正憲さん(経営グループ所属)を講師に招き、公開講座「ホールで働く」を開催しました。
まずは「コンサートホール」の概念についての説明があったあと、横浜みなとみらいホールの施設概要、事業企画グループと経営グループのそれぞれの仕事について詳しいお話がありました。また、コロナ禍での取り組みや、社会包摂での取り組み、次世代育成事業、休館中の取り組みなど、さまざまな取り組み内容についての紹介がありました。とくに社会包摂の取り組みとしての「ミュージック・イン・ザ・ダーク®︎」や、視力障がい者のための特別なフライヤーの構造などについては、多くの学生が驚きと興味を持って反応していました。
今回の講座を受講した荒田美月さん(管弦打楽器演奏家課程1年・テューバ)は「時期や情勢、その時々の世間が求めるニーズに応えるために、ホールが様々な企業努力をしていてすごいなと感じた」、坂井響さん(管弦打楽器課程1年・トロンボーン)は「『ホールで働く』と聞いただけではイベントやコンサートの開催くらいしか思い浮かばなかったが、広報や企画など様々な仕事があり、想像以上だった」と受講を通しての新たな発見を語ってくれました。新ゼミを担当している伊藤綾教授(音楽学)は「首都圏の大規模ホールだからこそ出来る企画も沢山あったが、そのような企画の存在自体を知ることが大切だ。この講座を聞いたことにより、今後、新たな視点で演奏会を聴いたり企画したりしてくれればと思う」とこの講座の影響を期待していました。